NEURONでは次世代に向けた研究開発を推し進めております。
EBW(電子ビーム溶接機)を用いた開発案件であるILC※1 加速器空洞製作において、一定の評価を得ることができましたので紹介いたします。
◇ 1セル空洞 電界性能試験
高エネルギー加速器研究機構(KEK)共同事業
融点が高く非常に溶接が難しいNb(ニオブ)材を当社所有のEBW機を用いて貫通溶接を行った
ビームパイプ※2を供給いたしました。
電界性能試験では加速勾配※3 35MV/mが基準とされるなか、最大加速勾配 37MV/mが
確認され良好な結果を得ることができました。
1セル空洞(KEK提供) 当社で製造したビームパイプ 溶接ビード(内面)
(外径φ84x154L 厚み 3mm)
※1.ILC[国際リニアコライダー]
アジア、北米、欧州の3地域で協力して推進している次世代電子・陽電子衝突型加速器。
ビッグバン直後の状態を再現することで、宇宙創成の謎を解き明かすことが目的。
また、研究開発から生まれる様々な先端技術の波及効果にも大きな期待がかかっている。
※2.ビームパイプ
電子・陽電子のビームが通るパイプ。
※3.加速勾配
粒子の「加速」とは、スピードの増加とエネルギーの増加、双方を意味する。
加速器が一定の距離で粒子のエネルギーをどれだけ増加させられるかを「加速勾配」と呼び、
加速勾配が高ければ高いほど、直線型加速器の長さを短くすることができる。
(営業技術本部 西谷 章 記)